風疹に関して
今、世間で騒がせている風疹の流行について。 非常に心配な出来事であり見過ごすことはできません。しかし皆さんから質問される内容を聞いていると「あれ!?少し勘違いしているぞ!?」というところがあるので、現在の風疹の状況をご説明します。 マスコミでも取り上げられている風疹の流行、妊婦さんには本当に大敵です。横浜市でもある条件を満たしている方に対しては予防接種費用の一部負担を緊急に始めています。 しかし風疹の症状自体はまったく大したことがありません。軽い発熱、3~4日間の薄い発赤を伴う発疹、そして頸部リンパ腺の腫脹、これだけです。風邪っぽいな~で終わってしまうこともあります。「3日ばしか」と言われるように麻疹のような症状が(麻疹よりはるかに症状は軽いですが)わずか3日間ほど出るだけです。一般の人が罹患してもゆっくり安静にしていれば自然治癒してしまい、そんなに大変な病気ではありません。(とは言っても、どんな病気も重症化してひどくなることがあるのでご注意を) 症状が軽い病気でも妊婦の方は絶対かかってはいけません。皆さんもご存知と思いますが、妊婦の方が罹患した場合、高い確率で胎児に障害が発生することがわかっています。そのためもし妊婦の方が風疹に罹患した場合は堕胎しなくてはならないことが多いのです。こんなことを聞くと本当に怖いですよね。 ここでまた「しかし」です。皆さんは風疹の流行をマスコミ等で知らされていますが、大きな勘違いもされているようです。皆さんは毎冬流行するインフルエンザの如く、町中いたるところに風疹の患者さんが溢れかえっていると思っているようです。違います。 今年に入ってから約5か月間で報告されている風疹患者の数は全国で5500人程度です。昨年は1年間で2500人程度でしたので、昨年と比べれば確かにかなり多いですよね。しかしよく考えてみると5か月間で5500人、日本の人口1億2000万人いる中の5500人です。1か月間に約1000人、1日で見ると約30人。全国でです。報告されていない症例もあるとは思いますが、多いと言っても実はこのくらいなんです。(患者数は右肩上がりに増えているので、こんな単純な計算ではないですがね。目安と思ってください。) インフルエンザの流行時には、にしかわ医院のようなごくごく狭い地域の小さい一つのクリニックでさえ1日30人位の患者さんが...